障害者スポーツ文化センター ラポール 中期事業目標

令和2年度~令和8年度

中期事業目標

・ 「みんな笑顔」を目標に掲げ、「来てよかった」「また来たい」と思っていただけるホスピタリティあふれる接遇の実現に努め、中核施設としての役割を果たしていきます。 障害のある方の生活を楽しく豊かなものにするために、培ったノウハウを地域に還元し、関わる全ての人が笑顔になるよう努めます。

・ 「わかりやすさ」と「個別ニーズへの配慮」が両立し、感染症等への対策を含め、安心・安全を最優先にした施設利用ルールを構築するとともに、 施設の環境整備、保安・防災、緊急時のマニュアルの見直しと訓練を実施します。

・  広報誌「ラポラポ」やホームページに加え、新たな情報発信サイト「For Smile」やSNS等を有機的に活用し、施設全体として発信する仕組みづくりを進めます。

・ 聴覚障害者情報提供施設は、遠隔手話通訳等、新たなツールを用いたサービスを積極的に取り入れ、利用促進を図ります。 また、生活に役立つ学習会(手話通訳付き)の開催など効果的で積極的な情報発信に努めます。

1 横浜ラポールのスポーツ振興

    (1) 障害者のためのスポーツ教室、スポーツ大会等の開催
    ・ 指導員を曜日・時間帯を固定して施設に配置することで、初心者から上級者まで、日常的・継続的な支援を安心して受けられるようにします。 また、地域で開催される様々なイベントで障害者スポーツを通じた交流の場を作ることに加え、障害者自らが、主体的にスポーツの楽しさを伝える側となる市民交流の場を共創します。

    ・ 各競技団体と連携した種目別・レベル別の教室や体験会、記録会・競技会を実施し、視野を広げるとともに、国際大会で活躍できる選手の育成にも取り組み、 パラリンピック出場を目指します。

    (2) リハビリテーション・スポーツの実施
    ・ リハビリテーションセンターや療育センターとともに開発・蓄積した障害への対応ノウハウを、さらに重度障害や個別への配慮が必要な障害に対して応用していくと同時に、 その参加機会を拡大します。

    ・ 指導員を施設に固定配置することで、回復期のリハビリテーション病院等から紹介される対象者に随時対応し、施設における日常的かつ長期的なサポートを実施します

    ・ 療育期からの切れ目のない支援として、療育センターと協働で「運動あそび」のノウハウを保護者に伝える機会を作るとともに、親子で安心して「運動あそび」を 体験できる場を提供します。

    ・ 健康増進拠点と位置付けたラポール上大岡と連動し、リハビリテーションセンターや国立障害者リハビリテーションセンターと連携して、 測定・評価を基礎とするエビデンスベースの運動プログラムの開発と普及に取り組みます。

    (3) 相談事業
    ・ スポーツ指導員によるスポーツ相談や保健師による健康相談、栄養士による食生活相談も引き続き実施し、対象者の心身の状況はもとより、 生活や社会参加状況等生活機能全般を評価する視点を持った相談事業を推進します。

    ・ スポーツ活動(指導)をする上で、専門的な障害評価を必要とする場合等は、個人情報保護を遵守した上で、必要に応じて利用者の関係医療・福祉機関との連絡調整を行います。

    ・ 相談内容は定期的に分類して傾向を把握し、実際の対応と活動の定着状況を会議等で分析・共有して、相談業務全体の質的な向上を図り、専門研修等も実施します。

    (4) 研究事業
    ・ 障害特性に配慮した種目の開発や指導法、環境の整備、地域での展開ノウハウ等、日常の業務に探求心を持って臨み、記録し、検証していきます。 また、ラポール単体では難しい研究・開発を大学や企業等に働きかけ、課題に取り組み、成果を研究会・学会等で広く全国に発信します。

    ・ 重度の障害や疾病管理上の問題等で施設利用が制限される対象者が楽しめるスポーツ・レクリエーションプログラムの開発・普及について、 eスポーツやVRといった手法を含めて調査・研究に取り組みます。

    (5) 横浜市障害者スポーツ大会(ハマピック)の開催
    ・ 全国障害者スポーツ大会の選手選考を兼ねた競技力の高い競技会として、「記録への挑戦」「トレーニング成果の発揮」「相互理解」を目的に実施し、 競技人口が少ない種目でも若い世代の選手を育成できる環境の整備と連動し参加者増につなげます。

    ・ 障害者スポーツの啓発を目的に、教育委員会や学校等にはたらきかけ、観戦者の増員を図ります。

    ・ 参加者数の少ない競技などについては、川崎市や神奈川県との共同開催等による、効率的な大会運営を進めます。

    (6) 全国障害者スポーツ大会横浜選手団派遣
    ・ 横浜市選手団の実績を更に発展させるために、選手団の体制と選手の競技力強化を図ります。

    ・ 代表選手の選考に当たっては、全国大会初出場選手を考慮することに加え、特定の障害に偏らないよう、多様な障害種別に配慮します。

    ・ 派遣先では、地元の学校を訪問するなど、横浜市との架け橋に繋がる活動を行います。

2 横浜ラポールの文化振興

    (1) 障害者の自主的な文化活動を促進するための事業
    ・ 「障害者芸術文化活動推進法」を踏まえながら、障害のある方の社会参加の促進および生きがいづくりにつながる事業を実施していきます。

    ・ 障害のある方がいつでも気兼ねなく出来る常設プログラム、季節感を取り入れたプログラム、各種教室を実施することで、文化活動への関心・きっかけづくりを行います。 また、生の芸術に触れる機会として様々なジャンルの芸術鑑賞を拡大し、障害特性に応じた環境整備に努めます。

    (2) おもちゃ図書館事業
    ・ 障害児の生活領域と遊びの楽しみを広げ、感染症への対策と利用者ニーズに応えるため、新たに予約専用ダイヤルを設置して、スムーズな予約を可能にし、 SNSで予約状況やおもちゃ・行事・講座等の情報も提供していきます。

    ・ 各療育センター等と連携し、市販のおもちゃでなかなか遊びにくい重い障害のお子さんのためのおもちゃの新規開発を、民間の玩具メーカーと連携し進めます。

    (3)相談事業
    ・ 障害者の文化・創作活動に関わりたい方や支援をしたい方に対して、体験場所、発表・鑑賞の機会、展示の仕方等、相談内容に応じたサポートや情報提供を実施していきます。

    ・ 神奈川県障がい者芸術文化活動支援センターと連携し、市内の障害者の相談内容を把握するとともに、障害者スポーツ文化センターとして何が必要なのかを分析することにより、 ニーズに合ったプログラムを提供します。

    (4)調査・発掘事業
    ・ 障害者の文化活動の幅を広げるためのプログラム開発、その活動を支援する講師、スタッフの人材発掘を行います。

    ・ 障害者アーティストのステップアップを図るため、個展や発表の場を提供し、発表の機会の拡大を図り、また、障害者当事者が講師となる機会を設け、学習意欲の向上を図ります。

3 手話通訳者・要約筆記者派遣事業

    (1) 手話通訳者・要約筆記者派遣事業
    ・ 手話通訳者・要約筆記者を派遣し、聴覚障害者等の福祉の増進を図り、幅広い内容に柔軟に対応できる通訳者の育成に努めます。

    ・ 医療場面における遠隔通訳や、オンライン会議の通訳等、新しい形の通訳ニーズが生まれている中で、新たに導入したシステムの利用促進を図るとともに、 新しい意思疎通支援に関するルールの明確化、通訳者研修の実施等、円滑な利用に向け環境を整備します。

    (2) 聴覚障害者相談事業
    ・ 一般の相談窓口が利用しづらく、課題が潜在化しやすい傾向にある聴覚障害者への支援として、利用する施設等に職員が出向き、 対応する際のポイントや簡単な手話学習等を実施します。

    ・ ラポールへの来所や訪問相談が困難な場合は、オンラインビデオ通話機能を活用した遠隔相談で対応し、タイムリーな支援につなげます。

    (3) 普及・啓発事業
    ・ 手話通訳派遣・要約筆記者派遣・相談事業を掲載した「聴覚障害者情報提供施設パンフレット」を更新・配布して、関係機関に対して各事業の利用促進を図ります。

    ・ 聴覚障害者団体等と連携し、市内の大学・高校での聴覚障害に関する啓発や手話指導等に協力し、若年層の手話学習者拡大に取り組みます。

    ・ SNSのビデオ通話機能等を日常の通信手段としている方のために、各種情報を聴覚障害者に分かりやすい手話動画にして発信し、生活に役立つ学習会を開催します。

    (4) ビデオライブラリー事業
    ・ 映像作品や聴覚障害に関する情報を手話・字幕付きの動画で作成し、事業団ホームページやSNSで発信します。また、全国の聴覚障害者情報提供施設と連携し、 障害者放送通信機構「目で聞くテレビ」への番組を提供します。

    (5) 視聴覚機器貸出事業
    ・ 聴覚障害者団体や聴覚障害者を支援するボランティア団体等や要約筆記者を利用する団体の利便性を図るため、必要な機器の貸出しを新たに宅配便等でも行います。

    (6) 手話通訳者及び要約筆記者養成事業等への協力
    ・ 通訳者登録試験に向けたコースでは、合格後の通訳活動や通訳実践を意識した指導が求められることから、講義の講師を担う他、講座の企画及び運営にも協力します。

    ・ 横浜市、横浜市聴覚障害者協会と連携し、社会人や学生等若年層がより通いやすい手話講習会のあり方について検討します。

4 ラポール上大岡

    (1) 障害者の健康支援プログラムの開催
    ・ 国立障害者健康増進・運動医科学支援センターや事業団医療部門と連携して、障害及び体力の状況等に合わせた健康づくりプログラムの開発を行い、 地域での継続的な活動を支援するプログラムの充実を図ります。

    (2) 障害者スポーツに関する情報集約・発信機能
    ・ 障害者スポーツ担当者会議のプラットフォームで、カテゴリー別の情報集約・共有化を図り、各々が持つ広報媒体を相互に活用した情報の発信を目指した取組を行います。

    (3) 創作・表現活動支援プログラムの開発・実施
    ・ 多種のプログラムを体験できるコースを用意して、適性や嗜好を個々に確認できるよう、障害特性に合わせた人数構成、環境を整備します。

    ・ 地域で活動しているアーティストや各区で活動しているまちの先生等に講師を依頼し、障害特性の理解を促し、 それぞれが地域で実施しているプログラムに障害者が安心して参加できる環境を整えます。

    (4) 障害者文化活動に関する情報集約・発信機能
    ・ 市内の障害者の芸術文化活動を行っている施設や団体に対して、訪問によるヒアリング等様々な手法を用いて活動内容の情報収集に努めます。

    ・ 他機関とも連携してSNS等の媒体を利用し、情報を相互で発信することで、各施設の利用に繋げ、障害者の社会参加と芸術文化活動の広がりを目指します。

5 ラポール共通事業

    (1)  スポーツ振興
    ① 障害者スポーツ支援者・指導者の育成及び活用
    ・ 競技力向上を図る指導者のために、日本障がい者スポーツ協会や各競技団体との連携を軸に、より専門的な知識や技術を研修する場を設けます。 また、横浜ラポール・ラポール上大岡の各施設特性を活かして実施しているプログラムを、実務研修の場として提供します。

    ②地域展開・連携事業
    ・ 障害児者が身近な地域でスポーツを楽しむことができる環境づくりを、地域の関係施設・団体と連携して行います。

    ・ 横浜市スポーツ協会等関係施設・団体と連携し、障害状況に応じた支援や、障害の有無・年齢・性別を問わず、誰でも参加可能なスポーツプログラムを行います。

    ・ 日中活動の場である障害者福祉サービス事業所、特別支援学校等を対象とした出張指導や、ラポール施設利用時の支援を拡充し、 障害児者がスポーツ・レクリエーションに触れる機会をつくるとともに、主体的に活動を継続できるようにするための支援を行います。

    (2) 文化振興
    ① 障害者文化活動支援者の育成及び活用
    ・ 講師等が安心して活動できるように、障害理解や対応についての講習会を行います。

    ・ 講師等の支援者に関して、市内障害者施設等に出向き、活動実績のある講師を照会し、様々な分野における人材の発掘を行います。

    ②地域展開・連携事業
    ・ 障害のある方が、住み慣れた地域で気軽に芸術文化に「触れる、体験する、楽しむ、発表する」という地域展開を図るとともに、各団体や市民利用施設と連携し、プログラムを提案しながら、 障害への理解や事業のノウハウを共有します。