横浜市地域療育センター 中期事業目標

令和2年度~令和8年度

中期事業目標

・ 児童と家族が安心して地域生活を営めるような療育サービスを提供していくとともに、地域の中核療育機関としての役割を果たし、関係機関と密接に連携します。

・ 利用申込み直後から利用できるサービスを充実させ、必要なプログラムを適切な時期に提供できる体制をつくります。集団療育についても、必要とする時期や頻度を検討し、これまでの枠組みに捉われないプログラムを提供します。また増加している共働き家族が利用しやすいプログラムも充実させます。

・ 利用申込み直後から子育ての不安を軽減し、楽しく子育てができるよう、広場事業に心理士を配置することで、専門相談を身近に利用していただける体制を継続します。家族間の交流など精神的なサポートに重点を置いたプログラムを提供するとともに、安心して療育に参加できるよう、ボランティアの育成にも努めます。

・ 障害児及び家族を地域全体で支える環境づくりを目標に、保育所・幼稚園、学校、地域訓練会だけでなく、医療機関、民間の療育機関、子育て支援者、区福祉保健センター等の機関が一体となって地域の障害児の育ちを支えることができる体制づくりを目指します。

・ 両親の就労やひとり親世帯の増加等、家族の状況も多様化しており、従来からの親子登園・週2回以上利用する通園を中心に置いた組織では対応できない状況になっています。また、平成28年4月に施行された「障害者差別解消法」によって義務付けられた合理的配慮によって、地域の中で必要な支援を受けながら生活する社会へと変化していることから、従来は通園を利用していた知的発達に遅れがある発達障害児を対象に、週1回の集団療育を「地域支援」と組み合わせて実施します。

・ 利用希望児が増加し続けている状況や利用ニーズの多様化、社会情勢が変化している中、これからの地域療育センター機能とは何かについて、法人全体で検討、実施します。

      1 相談
      ・ 利用申込み数の増加に対応するため相談体制の充実を図ります。相談を受けた時点から適切な支援ができるように、ソーシャルワーカーによるインテーク面談、関係機関支援、親子で参加できる広場事業を質・量ともにさらに充実させます。また、同じ悩みを持つ保護者が集う広場事業も継続していきます。

      ・ 地域支援システムの充実を図るために、多職種編成による質の高い技術支援を行うとともに、地域課題をキャッチし、計画的、効果的、タイムリーな地域支援を実施します。

      ・ 障害児相談支援(計画相談)については、今後の取組について、横浜市の関係部署と調整しながら、丁寧なケース支援をし、地域の実情をとらえて支援に活かします。



      2 診療・訓練
      ・ 社会環境の変化とニーズの多様化に対応しながら、適切な初診枠、再診枠、個別訓練枠を確保します。

      ・ 地域の医療機関と今まで以上の協力体制を築き、投薬等について役割分担をすることによって、利用者の地域生活を支援します。

      ・ 要医療重症児については、専門職チームが主治医と十分な連携をとりながら、保護者が安心して取り組める環境づくりに向けて助言、指導を行います。

      ・ 保護者への支援として、療育講座のテーマ設定を整理し、段階に応じた内容を企画し、体系化します。

      ・ 虐待リスクについては、虐待予防委員会を中心に、センター全体で迅速かつ適切に対応します。



      3 集団療育
      ア 医療型児童発達支援/児童発達支援
      ・ 個々の児童の特性や発達段階をふまえ、児童が楽しく達成感が持てるようプログラムの充実を図ります。また、将来児童が生活をしていく上で必要となる力を保護者と具体的に共有しながら療育を計画的・多角的に展開していきます。

      ・ 障害のある児童が家族の一員として健やかに育ち、きょうだい児を含め、家族全員が穏やかに安定した日常生活が営めるよう、家族全体を支援します。

      ・ 保育所・幼稚園や小学校に対し療育参観・引継ぎ・訪問の機会をとおして、課題や支援内容について共有する機会を設けます。

      イ 児童発達支援事業所「ぴーす」
      ・ 地域生活を主体とする発達障害児に対する支援について、地域療育センター本体とぴーすの役割を見直します。ぴーすでは、「知的発達に遅れの伴わない」低年齢~学齢児までの児童を対象とし、地域療育センター本体では、「知的発達に遅れがある」児童を対象とします。

      ・ 現在行っている週1回の集団療育だけでなく、目的や個々の状況に応じ、月2回程度の、低頻度集団療育を行います。また、地域療育センター受診時期が低年齢化している状況もあり、3歳児からの利用を検討します。

      ・ 低学年(1~2年生)と3年生以上では相談内容に違いがあるため、それぞれのニーズに合わせたサービスが展開できるよう整理していきます。運動プログラムは学齢期に専門職がかかわりながら継続的に取り組めるよう、事業団内で連携し、青年期に向けての余暇活動につなげます。



      4 地域サービス
      ・ 区福祉保健センター等の行政、地域の施設や子育て支援団体、医療機関等をつなぐ療育ネットワークをさらに発展させます。丁寧なケース支援を通じて地道に相互理解を深めるとともに、療育に関する広報に力を入れ、一層の連携強化を図ります。

      ・ 保育所・幼稚園だけではなく、障害児に関する事業を実施している関係機関や区の子育て支援拠点等も支援先として拡大します。

      ・ 学校・保護者・地域療育センターの3者が協力しあうことで児童がより豊かな学校生活が送れるよう支援していきます。また教職員の研修やコンサルテーションを行う学校支援事業と、センター利用児個々のニーズに応じて実施する学齢障害児支援事業を効率的に実施します。