横浜市地域療育センター 中期運営方針・中期目標

平成27年度~平成31年度

中期運営方針

地域療育センターは、幼児から学齢児までの障害のある子どもが、地域の中で安心して生活できるよう、障害児及びその家族を総合的に支援する地域療育の拠点として、関係機関と協働しながら運営を行います。 また、従来の療育センターの枠組みに捉われず、利用者や関係機関のニーズを的確に把握することで、療育センターとしての新たなるサービスを構築し、満足度の向上に努めるとともに、迅速に質の高いサービスが受けられるよう、ライフステージに沿った、谷間の無いサービス提供を目指します。

中期目標

      1 ニーズや状態像の変化、多様化に対応した療育機能の発揮
      一人ひとりの子どもとその家族の多様なニーズや状態像に対して、専門性の高い療育機能を発揮するとともに、切れ目のないサービス形態を模索します。 特に療育サービスの提供においては、従来の枠組みに捉われない柔軟な対応ができるよう、サービスのバリエーションの拡大を図るなど、利用者満足度の向上に努めます。

      2 学齢児への支援
      相談支援、診療、集団療育等センターが有する機能を効果的に発揮できる体制を構築し、子どもたちが安定した学校生活を送れるような支援を行います。 また、肢体不自由児の学齢児支援についても必要な体制を整備します。

      3 保護者・家族への支援
      保護者が安心して子育てに向かえるよう、そして、障害のある子どもと家族が安定した生活を送ることができるよう、地域関係機関と連携して家族全体への支援を行います。 また、保護者の不安等が軽減されるよう、利用申込みの段階から支援が開始できる相談支援体制を構築し、利用者満足度の向上を図ります。

      4 地域との協働
      障害児の地域療育の拠点として、発達障害に対する地域での理解促進を図るとともに、地域における効果的な役割分担に基づく協働体制が可能となるよう、療育ネットワークをさらに強化します。 また、関係機関との連携をより強化するため、支援の在り方や方法を再整理します。

      5 人材育成の強化
      上記目標を達成するためには、職員の育成が急務です。職場内での教育と研修等を効果的に組み合わせ実施することにより、専門知識や技術を高め、ゼネラリストとしても高い能力を備えた職員を育成します。 さらには、必要に応じて各職種の人材育成計画の見直しを図るとともに、目標達成に向けた効果的な人員配置も行います。


    事業別目標 横浜市地域療育センター

    1 戸塚地域療育センター

      <診療事業目標>
    1. 効果的な診療・訓練枠の活用
      診療部門を利用する子どもは年々増えていますが、診察枠、訓練枠ともに初診、再診等のバランスを考えながら、センターの状況に適応したタイムリーで効果的な枠の活用を図ります。
    2. バリエーション豊富なプログラムの展開
      (1) 精神発達系
      利用児の増加とニーズや状態像の変化、多様化に対応できるプログラムを構築します。具体的には外来グループを見直し、新たなグループ体系を整備することで、増加している知的に遅れのない発達障害児のニーズに応えていきます。 サービスの公平性と透明性を大切にし、保護者自身が主体的にプログラムを選択してもらえるような仕組みを作ります。
      (2) 肢体系
      肢体系利用者の多様性とニーズの変化に対応するよう外来グループを見直し、新たな位置づけで運営していきます。 年々増加している精神運動発達遅滞児に対しては、肢体系から精神系へスムーズに移行できるプログラムを構築します。 要医療重症児に対しては、福祉保健センター、医療機関、教育、障害福祉サービス事業所等関係機関と連携し、療育を進めていきます。 学齢前期の親子にも、療育センターの様々な機能を効果的に使いながら、有意義なプログラムを提供していきます。
      <集団療育事業目標>
    1. 集団療育のバリエーションの拡大
      利用児の増加とニーズや状態像の変化、多様化に対応するため、従来からの枠組みに捉われることなく、集団プログラムのバリエーションを拡大します。 また、頻度についても、高頻度通園の希望者にはできる限り療育の場を保障するとともに、併用希望者には休まずに通える現実的なプランを提示していきます。
    2. ぴーす(児童発達支援事業所)の役割の再構築
      高機能群の集団療育を実施しているぴーすは、ノウハウが蓄積されてきていることと、高機能群の利用がセンター全体で増加していることから、在籍児への支援に留まらず、センターの学齢児支援と連動した卒園児支援や、センターで実施する高機能群に対するプログラムへの協力など、役割と実施体制の再構築を行います。
      <相談支援事業目標>
    1. 申込み段階から開始する相談支援の構築
      センター申込み後の保護者の不安の軽減を図るため、また、子どもと保護者の適切なアセスメントを行うため、申込み段階から原則として全員に対してソーシャルワーカーが面接をします。面接を通じて、必要な場合には早期に診療や園訪問に繋げるなど、迅速な対応を行っていきます。 また、未就園児の親子を対象とした広場事業をさらに発展させていきます。
    2. 保護者支援の充実
      保護者同士のゆるい繋がりを求める、あるいは保護者自身が学びたい、親子で参加したいなど、保護者の多様なニーズにタイムリーに応えられるような仕組みを作ります。 また不適切な養育リスクの高い家庭に対しては、申込み直後から関係機関と連携をとりながら、安定した養育環境が確保できるよう支援を行います。
    3. 地域との連携の強化
      地域と連携しながら事業を進めることで、障害児についての理解促進に努めるとともに、円滑な支援に繋げていきます。 地域の医療機関や民間の児童発達支援事業所等との連携を強化しながら、中核療育機関としての役割を果たしていきます。

    2 北部地域療育センター

      <診療事業目標>
    1. 効果的な診療・訓練枠の活用
      診療部門を利用する子どもは年々増えていますが、現段階では医師の診察枠やセラピストの評価・訓練枠を大きく増やすことは困難です。しかし、診察枠、訓練枠ともに初診、再診等のバランスを考えながら、センターの状況に適応したタイムリーで効果的な枠の活用を図ります。
    2. バリエーション豊富なプログラムの展開
      センターにおける乳幼児期から学齢期までのサービスが足りない部分は何かを常に検討し、シームレスで切れ目のないサービス提供に努めます。
      (1) 精神発達系
      利用児の増加とニーズや状態像の変化、多様化に対応できるプログラムを構築します。北部センターでは、利用児の多数を占める知的に遅れのない発達障害児(以下「高機能群」といいます。)、特に低年齢で利用を開始した群へのサービスを実施します。
      (2) 肢体不自由系
      年々増加している精神運動発達遅滞児は、肢体系から精神系へ移行する際にサービスの切れ目が生じ、スムーズな移行に支障を来しているため、それを解消するプログラムを実施します。 また、要医療重症児に対しては、福祉保健センター、医療機関、教育、障害福祉サービス事業者等関係機関と連携し、療育センターでの支援の在り方を検討します。
    3. 学齢児へのサービスの構築
      相談支援、集団療育等センターが有する相談機能を強化することで、診療機能をよりタイムリーに、かつ有効に活用できる体制を構築します。また、利用開始時期(就学前受診、学齢新患)により異なるニーズに対応できるよう、サービスを展開します。 さらに、障害特性が様々な肢体不自由児の学齢児支援についても、保護者の情報共有の場を作るなど、支援の体制整備を検討します。
      <集団療育事業目標>
    1. 集団療育のバリエーションの拡大
      利用児の増加とニーズや状態像の変化、多様化に対応するため、従来からの枠組みに捉われない形での集団療育のバリエーションを拡大します。 なお、バリエーションの拡大を検討する際は、制度やファンドに捉われることがないよう、ニーズに適合したサービスを最優先するとともに、経営上の妥当性の確認もあわせて行います。
      (1) 通園療育の役割の再構築
      従来からの役割である中・重度の療育が中心となる群への高頻度クラスの設定と、中・重度の低年齢児に対する家族支援の強化は継続して実施します。 それに加え、利用児の6割以上に増えている軽度・境界域群の地域集団併用児に対し、ニーズに合わせた通園頻度のバリエーションを検討します。 また、通園の枠に捉われずセンター全体でサービスが足りない部分(初診前後広場事業等)に対しても、通園職員を投入するなど柔軟な対応を検討し、集団療育の再構築を行います。さらに、卒園児に対する支援についても、学齢児支援の一環として積極的に展開します。
      (2) ぴーす(児童発達支援事業所)の役割の再構築
      高機能群の集団療育を実施しているぴーすは、開所後5年が経過しノウハウが蓄積されたこと、高機能群の利用がセンター全体で増加していること等から、在籍児への支援に留まらず、センター全体で実施する高機能群へのサービスに関与します。学齢児支援に関しては卒園児フォロープログラムを軸に、相談窓口機能、二次障害を防ぐメンテナンス機能が果たせるよう整理します。また、本人が主体的に参加できる居場所となるプログラムを模索します。 さらに、低年齢で利用を開始した高機能群に対するプログラムへの協力、午後枠の活用など、高機能群のスペシャリストとしてセンター全体の中で機能できるよう、役割と実施体制の再構築を行います。
      <相談支援事業目標>
    1. 申込み段階から開始する相談支援の構築
      センター申込み後の保護者の不安等の軽減を図るため、また、子どもと保護者の適切なアセスメントを行うため、原則として申込みから2週間以内に実施するソーシャルワーカーの面接を継続・充実させ、センターとして初期プランを作成するとともに、面接後の広場事業、専門職(ソーシャルワーカー、心理士、保育士等)の面接、園訪問等のサービスを拡充します。 また、特に診療の必要性が高い場合は、タイムリーに受診に繋ぐことができる体制を構築します。
    2. 地域との協働体制の強化
      障害児とその家族の地域での生活がより安定したものになるためには、地域との協働体制が必須です。地域での効果的な役割分担が可能となるよう、区福祉保健センターや子育て支援拠点等関係機関とのネットワークをさらに強化します。 また、支援ニーズが高い保育所・幼稚園等に対する訪問による技術支援については、支援方法等を再検討するなど、より効率的で効果的な支援の在り方に整理します。
    3. 相談支援が効果的に遂行できる体制の整備
      センター利用児の増加や関係機関からの支援依頼の増加、申込み段階から開始する相談支援の構築、障害児相談支援の開始等により、相談支援業務は確実に増えています。組織の見直し、体制整備等相談支援機能が効果的に遂行できる体制を整備します。

    3 西部地域療育センター

      <診療事業目標>
    1. 効果的な診療・訓練枠の活用
      診療部門を利用する子どもは年々増えていますが、現段階では医師の診察枠やセラピストの評価・訓練枠は、職員数が変わらない限り大きく増やすことはできません。しかし、診察枠、訓練枠ともに初診、再診等のバランスを考えながら、センターの状況に適応したタイムリーで効果的な枠の活用を図ります。
    2. バリエーション豊富なプログラムの展開
      (1) 精神発達系
      利用児の増加とニーズの多様化に対応できるよう、プログラムのバリエーションを増やし、整理します。とりわけ、集団療育が適さない発達障害児や、家族の状況により集団療育に通えないケースへの支援プログラムも検討します。
      (2) 運動発達系
      年々増加している精神運動発達遅滞児に対しては、肢体系から精神系へ移行する際のスムーズな移行プログラムを構築します。 また、要医療重症児に対しては、福祉保健センター、医療機関、教育等関係機関と連携し、療育センターでの支援の在り方を検討します。
    3. 初期対応の強化
      継続的な集団療育の希望の有無に関わらず、学齢も含め、センターを利用する全ての子どもとその保護者に対して、適切かつタイムリーな情報提供とプランニングを目的とした「初期対応」を強化し、利用児及びその家族にあった療育プランを、保護者とともに決定していける体制を構築します。
    4. 学齢児へのサービスの構築
      保護者が発達障害の特性を理解できるような初期対応(診断・評価)を強化するとともに、教育等関係機関との役割を明確にしながら連携し、支援を強化していきます。 さらに、センターのエリア内の小学校に通う肢体不自由児への継続的な支援についても在り方を模索していきます。
      <集団療育事業目標>
    1. 集団療育のバリエーションの拡大
      利用児の増加とニーズや状態像の変化、多様化に対応するため、従来からの通園療育の枠組みに捉われることのない、集団プログラムのバリエーションの拡大を検討します。検討の際は、制度やファンドに縛られることなく、診療部門との相互乗り入れを行いながら、希望者には高頻度の療育を保障する一方で、併用利用者などの様々なニーズに柔軟に対応できるサービス展開を最優先に行います。 また、卒園児支援もセンターの学齢児支援の一環として実施します。
    2. ぴーす(児童発達支援事業所)の役割の再構築
      高機能群の集団療育を実施しているぴーすは、ノウハウが蓄積されたこと、高機能群の利用がセンター全体で増加していること等から、在籍児への支援に留まらず、支援の幅を広げていきます。 具体的には、センターの学齢児支援と連動した卒園児支援やセンターで実施する高機能群に対するプログラムへの協力を行うとともに、在籍する併行利用児を通じた地域支援を強化していきます。また、相談部門と協働して申込み後の保護者の不安の軽減を目的とした広場事業等を実施し、センター利用児の増加にも対応すべく、役割と実施体制の再構築を行います。
      <相談支援事業目標>
    1. 申込み段階から開始する相談支援の構築
      センター申込み後の保護者の不安等の軽減を図るため、また、子どもと保護者の適切なアセスメントを行うため、申込み直後に、原則、全員に対してソーシャルワーカーが面接を行います。そのことにより、個々のケースにあった適切な時期に初診を導入できる体制を構築します。また、面接後についても、広場事業など保護者の不安を軽減するためのプログラムの提供に努めます。
    2. 地域との協働体制の構築
      障害児とその家族が、地域で安定した生活が送れるよう、地域との協働体制を構築します。子育て支援拠点等の関係機関とのネットワークの強化、アウトリーチ型支援の整理を行うことにより、療育センター利用児及びセンターを利用していない障害児も含めて、育ちやすい土壌づくりを模索します。
    3. 相談支援が効果的に遂行できる体制の再構築
      センター利用児の増加や関係機関からの支援依頼の増加、申込み段階から開始する相談支援の構築、障害児相談支援の開始等により、相談業務は確実に増えています。組織の見直し、体制整備等、相談支援機能が効果的に遂行できる体制を再構築します。また、あわせて交通アクセスの良い拠点の整備を検討し、相談支援・地域支援の強化を図ります。

    4 港南地域療育センター

      <診療事業目標>
    1. 効果的な診療・訓練枠の活用
      医師の診察枠やセラピストの評価・訓練枠は、職員数が変わらない限り大きく増やすことはできません。しかし、診察枠、訓練枠ともに初診、再診等のバランスを考えながら、タイムリーに適切な診療を提供できる、効率的な枠の活用に努めます。
    2. バリエーション豊富なプログラムの展開
      (1) 幼児(精神発達系・肢体系)
      利用者のニーズや状態像の多様化に対応できるプログラムを構築し、従来手薄になりがちだった部分への強化を図ります。
      ア 低年齢高機能児への育児支援の充実
      イ 従来の集団療育を利用できない子どもや家族へのサポートの強化
      ウ 運動発達系から精神発達系へサービスをシフトする仕組みづくり
      (2) 学齢児
      多職種による学齢支援事業を柱に、学齢期の個別フォローの効果的なシステムを作り、学校との一層の連携強化に努めます。
      ア 通園・ぴーすの卒園児フォローシステムと診療・相談スタッフが連携することによる就学後の問題へのタイムリーな対応
      イ 多職種による学齢児支援事業の充実をとおした学校との連携強化
      ウ センターの行事を活用した、就学後も相談しやすい体制づくり
      (3) 課をこえた連携
      ア 上記目的を達成するため、課を越えた連携を進めます。
      <集団療育事業目標>
    1. 集団療育のバリエーションの拡大
      利用児の増加とニーズや状態像の変化、多様化に対応するため、従来からの枠組みに捉われることのない集団プログラムのバリエーションの拡大(利用しやすく、谷間なく継続していくプログラム)を検討します。検討の際は、制度やファンドに縛られることなく、利用者や地域のニーズに合ったサービスを最優先にします。
    2. ぴーす(児童発達支援事業所)の役割の再構築
      ぴーすは高機能群の集団療育を実施していく中で本事業団としてのノウハウが蓄積されてきています。高機能群の利用がセンター全体で増加していること、港南センターではぴーすが他課と同じ施設内にあることなどから、在籍児への支援に留まらず、センターで実施する学齢児支援と連動した卒園児支援や高機能群に対するプログラムへの協力など、役割と実施体制の再構築を行います。
    3. 保護者支援
      保護者教室については、従来の内容の一層の充実を図るとともに、土曜講座や夜間講座など利用者が参加しやすいような工夫を行います。 また、通園・ぴーす合同で5歳児の保護者教室を開催し、就学支援に力を入れていきます
      <相談支援事業目標>
    1. 申込み段階から開始する相談支援の構築
      センター申込み後の保護者の不安等の軽減を図るため、また、子どもと保護者の適切なアセスメントを行うため、申込みを受けてすぐに、原則として全員に対してソーシャルワーカーが面接をします。 面接後は、1~3歳児の未就園児には広場事業、就園児には園訪問を実施します。また、必要な情報提供、対応のアドバイスなど、ソーシャルワーカーによる継続的な支援を行います。
    2. 地域との連携強化
      障害児の地域での生活が安定したものになるためには、地域との連携構築が必須です。関係機関のネットワークを強化することにより、地域での効果的な役割分担を構築します。 また、どのような形の支援ニーズが高いかをリサーチし、方法を再検討するなど、より効率的な支援の在り方を模索します。
    3. 相談支援が効果的に遂行できる体制の再構築
      センター利用児の増加や関係機関からの支援依頼の増加、申込み段階から開始する相談支援の構築、障害児相談支援の開始等により、相談業務は確実に増えています。組織の見直し、体制整備等、相談支援機能が効果的に遂行できる体制を再構築します