[ご利用に関するお願い]要約筆記(パソコン要約筆記)

パソコン要約筆記とは、音声を文字にして伝える聴覚障害者のための情報保障方法のひとつです。一般的には、パソコンをLANで繋ぎ、パソコン通訳用のアプリケーションソフト (「IPtalk」など)を使用して複数の要約筆記者が入力を行います。入力した内容は、聴覚障害者が多数の場合は、プロジェクター等を使ってスクリーンに投影します。

会議等で、対象の聴覚障害者が1~2名の場合は、対象者の前にパソコン(表示用)を置き、そこに表示する方式で行います(会場が狭い、表示用パソコンが準備出来ない等 特別な事情がある場合は、要約筆記者が対象者の横に座り、要約筆記者のパソコン画面を覗き込んでもらう方式もあります)。

要約筆記ご利用内容
入力方法 パソコン要約筆記は、話しことばを聞き、要約しながら入力していきます。大変な集中力が要求されますので、要約筆記者の過度の負担を避け要約筆記内容の質を保つために、 10分を目安に交替しながら要約筆記を行います。入力速度は1分間に概ね120文字~180文字です。パソコン要約筆記だからといって、話しことば(=1分間に350文字程度)が、全文入力できるわけではありませんのでご了解ください。
要約筆記訳者の人数
(目安)
2~3時間の会議、研修等 … 3~4名
3時間以上…6名
※終日の研修等の場合は、午前、午後で要約筆記者が交代することもあります。
※要約筆記者の人数は、要約筆記時間や内容で異なりますので、事前にご相談ください。
要約筆記者の集合時間
(目安)
通訳の位置、音響、照明の確認、講師との打合せなど
スクリーンに投影する場合:行事開始の1時間前
パスクリーンに投影しない場合:行事開始の30分前
※上記は目安です。行事内容によっては集合時間を早めていただくことがありますのでご了承ください。

対象の聴覚障害者が多数(3名以上)の場合のセッティング方法

表示用パソコンを通して液晶プロジェクターなどで、スクリーンに投影する方法で行います。


セッティングイメージ

セッティングイメージ

対象の聴覚障害者が(1~2名)の場合のセッティング方法

表示用のパソコンを使用する場合(基本形)

セッティングイメージ

要約筆記者のパソコンを覗き込んでもらう場合(表示用のパソコンが準備できない時)

セッティングイメージ

※詳細は窓口担当者にご相談ください。

パソコン要約筆記を行う際に必要な周辺機器・備品

周辺機器一式(表示用パソコン、LANケーブル、ハブ、モニターケーブル、養生テープ)

要約筆記者派遣の申し込みとともに貸出申請を行ってください。機器一式の受け渡し・返却は、横浜ラポールでおこないます。受け取り・返却希望日をお知らせください。 (*宅配は応相談)。

※横浜ラポール聴覚障害者情報提供施設で貸し出ししています(無料・要予約)。

長机(通訳者人数により2~3台)、プロジェクター、表示用パソコンを置く机(1台)

椅子(要約筆記者人数分)

折りたたみ式の長机、椅子で構いません。

電源

機材の電源を取ります。必要に応じて要約筆記者の席の近くまで延長してください。液晶プロジェクターを使用する場合、消費電力が多いため、電源はパソコンと別に取ることを お勧めします。別の電源をご準備ください。

パソコンで入力された文字を投影するために必要な機材

液晶プロジェクター(スクリーン等に投影する場合のみ)

会場の明るさによって見えにくくなることがありますので、投影できるかどうか、実際に使用する会場で事前に確認をお願いします。(光度2000ANSIルーメンス以上ものが よいでしょう。その他、画面の調整のため「台形補正機能」がついているものが適しています。

※横浜ラポール聴覚障害者情報提供施設で貸し出ししています(無料・要予約)。

スクリーン

会場の大きさに合わせて選び会場の前方に設置します。
※横浜ラポール聴覚障害者情報提供施設で貸し出ししています(無料・要予約)。

プロジェクターを使用しない場合:大型テレビ(21インチ以上のもの)

小規模な会議の場合には、パソコンで入力した文字をテレビモニターに接続し、映すこともできます。会場の明るさによって見えにくくなることもありますので、 実際に会場で事前に確認をお願いします。

※横浜ラポール聴覚障害者情報提供施設で貸し出ししています(無料・要予約)。

主催者の方へお願い

セッティングについて
  • 集合時間に、担当者も必ず会場にいて、要約筆記者と打ち合わせをお願いいたします。
  • スクリーンに投影する場合
    要約筆記者用の机、椅子を準備し、おおよその位置を決めてください。スクリーンやテレビを聴覚障害の参加者から見やすい位置に設定し、テレビは電源に接続しておいてください。 プロジェクターを使用する場合は、おおよその位置を決め、電源に接続しておいてください。画面の調整は要約筆記者が行います。
    ※横浜ラポールから貸し出す「周辺機器一式」は、要約筆記者が開けて準備します。
  • スクリーンに投影しない場合
    要約筆記者用の机、椅子を準備し、おおよその位置を決めてください。要約筆記者の座る席は、対象の聴覚障害者と横並びになるようにお願いします(上記セッティング方法を参照)。また、表示用パソコンと講師の顔が、出来るだけ同じ視野に入るような位置取りが望ましいです。
    ※横浜ラポールから貸し出す「周辺機器一式」は、要約筆記者が開けて準備します。
音響について 音が聞こえないと要約筆記できません。要約筆記者の机の位置で、音声が明瞭に聞き取れるかどうか、確認してください。聞き取りづらい場合には、要約筆記者用のスピーカーを設置する等、ご配慮ください。
照明について キーボード操作のために適度な明るさが必要です。ビデオ上映や資料投影用の機材(OHC、パワーポイントによるプレゼンテーション等)を使用するため場内が暗くなる場合でも、要約筆記者の位置には適度な明るさが確保されるようご配慮ください。場内を暗くする必要がある場合には、事前にご相談ください。
資料について 要約筆記の質を高めるために、事前準備(学習)は大変重要です。要約筆記内容に関する資料(行事の進行表、会議・研修のレジュメ等)をご準備いただき、事前に提供してください。
また、原稿の読み上げ、せりふ、歌などは要約筆記には適しませんが、事前に原稿の入力作業をおこなうこと(前ロール)で、対応することができます。準備作業のため、データ(できればWordまたはExcel版)をお送りください。
パソコン要約筆記の入力したデータ(ログ)の取り扱いについて
[お願い]

パソコン要約筆記は、手話通訳と同様、聴覚障害者に対するリアルタイムの情報を保障する手段であり、記録を目的とした行為ではありません。

要約筆記者養成のテキストを作成している難聴者・中途失聴者、及び要約筆記者の全国組織は、パソコン要約筆記の入力したデータ(「ログ」と呼びます)の扱いについて、以下の考え方を示しています。


要約筆記利用時のロールや用紙、ログの扱いについて

一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
特定非営利活動法人 全国要約筆記問題研究会

上記の方針にしたがい、ログの提供はできませんので、議事録等の作成は主催者の責任で行ってください。ただし、横浜市としては、当事者団体支援の意味から以下の場合に限り、ログの提供について特例的にご相談に応じます。

  1. 聴覚障害者団体が、会務決定に関わる重要な会議等(理事会、総会など)の議事録等作成の参考とする場合
  2. 特に聴覚障害者を対象とした研修等で、対象の聴覚障害者から主催団体(行政、企業など)へログ提供の希望があり、主催団体が対象者(聴覚障害者)への提供を了解している場合

※ログの提供は主催者経由(要約筆記者→主催者→聴覚障害者)となります。
※一般市民を対象とした行事等(講演会等)についてはログを提供いたしません。


上記1、2の場合は、特例的にログの提供を行います。いずれの場合でも、事前にご相談ください。提供しましたログは、あくまで議事録作成等の参考としてください。ログをコピーして原稿に貼り付ける等、そのまま記録として使用することはしないでください。提供しましたログは、議事録等の作成が完了し次第、速やかに消去してください。ご理解くださいますようお願いいたします。

※セッティングについては、当日要約筆記者同席の上、ご確認ください。
※何かご不明なことがありましたら、手話通訳者・要約筆記者派遣専用窓口(電話:045-475-2058)までお問い合わせください。