リハビリテーション工学の実践
臨床現場において、高齢者や障害児者ひとりひとりの生活を支援するために、工学技術を応用して、移動手段、コンピュータ・コミュニケーション、姿勢保持、スポーツ・レクリエーション、住宅改造などのさまざまなニーズに対して、機器の情報提供、適合支援、製作、加工修理等のサービスを実施しています。
年々その相談内容は、障害の重度化と関連し高度な技術が求められるようになってきています。これに答えるため、関連技術や素材に関する情報を収集するとともに、個々の職員の技術レベルの向上に努力しています。
車いす、クッション、補装具、スポーツ用具など
コンピュータ、コミュニケーション機器、釣り、絵画など
住宅改造、福祉機器、新築相談など
車いす、クッション、補装具、スポーツ用具など

姿勢保持クッションの適合
強い体幹変形のある方に対して、姿勢保持用クッションをCADシステムにより製作することができます。CADを用いることによってデータの集積や調整を確実におこなうことが可能になります。

新素材を用いた車いすクッションの適合
最新の情報に基づき、新素材の活用にも積極的に取り組んでいます。図の車いすは、3D-NET(株式会社デルタツーリング製)というポリエステル系の糸を立体的に編んだ構造体でクッション性、通気性、保温性を確保したシートを活用したものです。

スポーツ&テクノロジー
チェアスキーをはじめ、障害があるためにこれまであきらめていた潜在ニーズを掘り起こし、夢をかなえるための用具開発や技術支援を行っています。専門のメカニックとしてパラリンピックなど世界大会への参加も行っています。

吊り具の製作
在宅へ訪問し、身体状況変化および介護者の入浴介助負担の軽減に対応することを目的に専用の椅子型吊り具を設計、製作し、導入した例です。


コンピュータ、コミュニケーション機器、釣り、絵画など

頸髄損傷や筋ジストロフィー症、ALSなど重度な身体障害がある方たちに対して、コミュニケ-ション機器、環境制御装置、電動車いす、ナ-スコ-ル、リクリエ-ション機器などの適合評価から導入に至るまでサポ-トします。特に機器操作の基本となる「スイッチ」に関しては、当センターの作業療法士等と協力し、利用者の身体機能や生活環境に適したものを製作・導入します。これらのサ-ビスは当センタ-内で行うだけでなく、移動が困難な利用者に対してはお宅を訪問することもあります。また、機器導入後に不具合が生じた場合なども継続的に支援し、利用者の生活をより快適にするためのお手伝いをしています。
コンピュータ支援
頸髄損傷者の頭の動きでパソコン画面上のマウス操作を可能にしました。赤外線の反射シールとクリック操作用の呼気スイッチをサングラスフレームに一体化することで使いやすさを向上しました。

コミュニケーション支援
進行性筋ジストロフィー症の方に対して、パソコンのキーボード操作を支援するため、軽量なカーボン製のスティックの先端に特殊な磁石を取り付け、磁気で反応するセンサを製作しました。

釣り支援
進行性筋ジストロフィー症の方が趣味・娯楽としている「釣り」を支援するため、釣り竿を電動車いすに取り付ける工夫と竿を昇降させ、魚を釣る過程を楽しめる装置を製作しました。

絵画支援
進行性筋ジストロフィー症である画家の仕事を支援するため、音声認識装置が装備された上下、左右、回転ができる電動式のイーゼルを製作しました。この方は現在もこのイーゼルを使い画家として創作活動を行っています。

音楽鑑賞支援
脳性まひで手の動作がやや不自由な方が、CDプレーヤーを操作しやすいように、外付けのボタンスイッチで簡単に操作(再生、一時停止、早送り)できるように工夫しました。好きな曲を選択して楽しむことができます。


住宅改造・福祉機器・新築相談

脳性麻痺・いす式階段昇降機
脳性麻痺のお子さんの両親に対して階段昇降の介助量軽減のためいす式階段昇降機を設置しました。お子さんの不随意運動を考慮し、昇降機には座位保持装置を取り付け安全な昇降を可能にしました。

脳血管障害(左片麻痺)・トイレ
便器への立ち座り動作の安全性を確保するため、和式両用便器を洋式便器に変更しました。介助者のスペースを確保するため既存の扉を残し、便器右側方の脱衣室側に新たに出入口を設けました。